オウンドメディア動画の立ち位置と役割を誤ると、効果が現れない

広告の目的

広告の神様と言われるクレード・C・ホプキンスは次のように定義しました。
「広告の目的は売ることである」
前後の文脈や著作全体を見ずに言葉だけを切り取ると本当の意味が浮かび上がりませんが、この言葉には力があり確信をついています。
「商品に自信があるから、多くの人に知ってもらえばもっと売上が上がるのな」、「このサービスはビジネスのあり方を一変させる。必要な人に使ってもらいたい」などなど。広告の目的は、みなさんにとって様々だと思います。
「お金のため?」となると、どこか退いてしまう方もいるかもしれません。
しかし広告は売るための手段であり、売上を上げることによって新しい商品やサービスを開発して提供していくために必要な手続きです。
目的は売ること、「そんなの当たり前じゃないか」と思う方も多いはずです。しかし、実際に作業の段階になりここからブレる広告を多く見かけます。動画の場合には特に、視覚へダイレクトに、直感的に訴えてくるので、ブレに対する違和感は顕著です。動画制作はクリエイターに依頼する場合も多いかと思います。クリエイターは職人気質で芸術肌の方が多いのも、ブレを生んでいる原因かもしれません。

「広告の目的は売ることである」

これを大前提にすることで、広告活動、マーケティング活動、動画マーケティングとその制作がガラリと、パラダイム・シフトが起こります。

広告の立ち位置

マーケティングという言葉は、定義が様々です。米国に「アメリカ・マーケティング協会」という団体があり、マーケティングを定義しています。定義は1940年、60年、85年、2004年、07年に改変されています。時代とともに変わっているというわけです。2007年の定義は以下の通りです。

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(アメリカ・マーケティング協会/2007年)

なんとなくイメージはできますが、制度と言われるとピンときません。
日本にも「日本マーケティング協会」があり、次のように定義しています。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(日本マーケティング協会/1990年)
「グローバルな視野」というところですでにつまずいてしまいます。公正な競争という言葉も抽象的です。「公正とは何か」なんていう議論になったら手がつけられません。
学者も定義しています。フィリップ・コトラーは「マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス」と言っています。
定義も様々、受けても解釈が様々なので、マーケティングという言葉が難しくなっている印象があります。しかし上記の定義の余計な部分をそぎ落とすと、やはり「売る」にたどり着くのではないでしょうか。
「誰に、何を、どうやって売る」を軸に考えると、買ってもらいたい人にどうやって情報を正確に届けるか、が立ち位置になります。
「広告」はマーケティング活動の中の部分であって、全体で考えないと正確に情報が届きません。そもそも売れません。立ち位置を把握して、広告をする必要があります。

動画の立ち位置

ここで言う動画はWEB上のものを指します。
広告の中でWEB動画はどんな立ち位置と役割を果たすのでしょうか。下の図を見てください。広告を見た人が商品・サービスを利用するまでの流れを大まかにまとめています。

大事なことは2つあります。
1つ目は、動画だけで効果を得るのは難しいということです。
制作会社の私たちが言ってはいけないことかもしれません。
商品開発も流通選定も広告も、すべては「売る」ためのマーケティング活動の一環です。
動画は自社サイトに加える形、もしくはyoutubeなどのプラットフォームに置く形をとります。WEBマーケティングの中で言うなら、自社サイトのSEO対策も努力している、有料の媒体にリスティング広告を出している、自社サイトはお客様の知りたい情報にたどり着けるように設計されている。それぞれの導線を確保してこそ、動画は生きてきます。
固定客に向けた動画であれば、商品・サービスの使い方、ポイント、テクニカルな問題解決に向けた動画など、顧客満足向上のために有効的です。新規顧客であれば、広告費を使って自社サイトに誘導した見込み客に対して、商品・サービスの良いところを効果的にアピールできます。
動画はマーケティング活動の一環として捉えてください。
2つ目は、あなたのサイトが強力なオウンドメディアに成り得るということです。
動画制作に敷居の高さを感じるかもしれません。確かに、CGを用いたりカメラをクレーンで動かしたり、かっこいいビジュアル重視の動画を制作しようとするならば、予算と時間がかかります。しかもオウンドメディアに成り得るということは、本数を多くアップしていかなければなりません。予算に天井がなければ、できるかもしれませんが。。。
20年前と比べて、カメラも編集ソフトも高機能なものが安くなってきています。特にアップル社の編集ソフトFinal cut pro Xは、WEB動画制作用に開発されたとしか思えない仕様です。(その結果、テレビ業界のFinal cut pro離れが進みましたが)
DTMの誕生で音楽が自宅で作れるようになったのと同じように、動画も個人が気軽に作れる時代になりました。撮影機材の高機能低価格、SNSの広がり、動画プラットフォームのユーザビリティの進化、これらのテクノロジーが、コストを抑えた動画広告を可能にしました。

しかし1点だけ注意があります。

皆さんはテレビを見たことがあると思います。豊富な予算で制作するテレビ番組やCMを、私たちは一部を除き無料で見ることができます。
テレビマンたちは制作のプロです。毎日映像制作をしています。もちろん、争うということではありません。しかし現実は、あなたの会社の動画を見る人はテレビを見ています。あまりにもクオリティに差がある場合は、不快感を覚えてしまいます。では不快感を与えないためにはどうすればいいか。

映像文法を守って制作をすることです。

「私 これ 好き」 助詞がないこの日本語、伝わりますが違和感を覚えます。これと同じように、映像にも文法があります。
子供の頃からテレビを見て、受け手の私たちには知らず知らずに映像文法が染み付いています。テレビマンたちが日々の乗務で学んでいることの一つに、この文法があります。送り手の彼らは、この文法をできるだけ守って、時には文法からはずして印象を変えたりしています。
この文法は、テレビやCMを見ただけでは身につきません。また文章化されてもいません。しかし確実に存在するこの文法さえ守れば、コストを抑えて効果的に動画広告を打てるようになります。

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