不快感を与えない映像文法

映像制作にはお金がかかる?

映像の制作を依頼して見積もりを見てみると、非常に高額で驚かれた方もおられるかもしれません。
良くない業者に依頼して吹っかけられた場合を除いて、この驚きについて少し考えてみたいと思います。
映画やテレビ、DVDなど映像コンテンツには様々なものがありますが、私たちが日常で最も接する機会が多いのはテレビではないでしょうか。テレビの普及率は98%(2016年3月・消費動向調査/内閣府)です。ほぼすべての家庭に普及している状態ですが、ハードさえあれば一部を除いてテレビというコンテンツの料金は無料です。

見積もりを出した映像制作会社は、良心的な会社であれば決してぼったくろうとしているわけではありません。
はっきりと言いますと、映像制作にはお金が掛かります。
なぜでしょうか。

無料で視聴できるテレビ

毎日ほぼ24時間放送しているテレビ番組ですが、ご承知の通りテレビにはCMという広告があり、広告主の企業がスポンサーとなって制作費が賄われています。
スポンサー企業が出資した金額の約8%が番組制作費となりますが、全国版ゴールデンテイム(19時から22時)の1時間ドラマで、1本あたりの制作費下限が約2000万円です。これにはタレントさんのギャラも含みます。

私たちは普段、制作費が2000万円も掛かっているドラマを無料で見ることができます。無料ですから、料理をしながらとか、食事をしながらなど、ながら視聴もできてしまいます。

テレビ番組制作は分業制

では、製作現場では2000万円の予算をどのように使っているのでしょうか。
映像で必要なスタッフには、管理を行うプロデューサー、それをサポートするアシスタントプロデューサー、演出をするディレクター、サポート役のアシスタントディレクター、撮影をするカメラマン、照明さん、音声さん、セットを組む美術さん、出演者のタレントさん、サポート役のマネージャーさん、衣装さん、メイクさん。編集をする編集マン、音響効果をつける音響さん、静音をするエンジニア、テロップを入れるテロッパーさんなどなど。
書ききれませんが、番組制作には非常に多くのプロフェッショナルな人たちが関わります。その分、制作費が掛かります。
視聴率が1%であれば、日本の人口は1億2000万人ですから120万人が見る計算になりますので、予算を掛けて選りすぐりのプロたちによって作られているのです。クレームや不快感はテレビ局にクレームが行きます。その多さは広告費に響きますので、手が抜けません。

ギャップが生まれる瞬間

例えば、事業内容を実際に映像化してみようと思い立ち、制作会社に依頼。依頼する企業の担当者の方は、制作について全く何も知らないこととします。
「あのドラマの、あのシーンみたいな感じ」「あのCMの、あの。。。」などなど。
依頼する担当者は、もちろん制作に関しては全く知識がないので、無料で視聴できるテレビの自分が印象に残ったシーンで表現をして何とか制作会社にイメージを伝えようとします。しかし制作現場を知っている制作会社は、「あのシーンは5メートルのジブ・アームを動かして出演者の感情を表現しているから、あれを撮影するとなると機材をレンタルしてカメラマンを外注して。。。」なんてことを考えます。
出てきた見積もりにはそれが全て乗っかってきますので、もちろん高いものになってしまうのです。カメラや照明など、技術革新によって機材の価格は年々下がり小型化が進んでいますので、かつてほど高額ではなくなりましたが。
もしジブ・アームという機材を用いないで同じようなシーンを定点カメラで撮った場合には、テレビと比べて大変に見劣りしてしまうのは明らかです。またその動きを手持ちカメラで撮影した場合には、どんなに上手に動かそうともブレが生じますので、見るに堪えないシーンになってしまします。

金額的にもクオリティ的にも、無料で見ることができる高予算・高クオリティテレビ番組と比較をすると、そのギャップに驚くのかもしれません。

何を伝えたいのか、もう一度考える
一括りに映像といっても、様々な種類があります。
3D映像や360°のVR映像など、臨場感を重視したビジュアルに訴えるものもあります。ニュース番組のように、出来事を情報としてわかりやすく素早く伝えるものもあります。

御社が伝えたいこと何でしょうか。

商品やサービスのセールスポイントでしょうか。従業員の情熱や人間味でしょうか。これをどのように伝えるのか、映像企画のプロであるディレクターは、これまでの経験値を活かして、感性と創造力で様々な切り口を考えます。制作会社に依頼をすれば、御社とともに考えてくれます。

自社サイトや自社YouTubeチャンネルで公開するなら、自社内で制作を。
商品・サービスを買っていただくためにお客様との信頼関係は必要不可欠です。オウンドメディアがお客様との信頼を育むことに有用な生むことは、様々な企業の取り組みで実証されています。

この信頼はどこから来るのでしょうか。
上手な文章や魅力的な動画から得られているものでしょうか。

御社の商品・サービスに一番詳しいのは御社の担当者です。御社の商品・サービスに一番情熱を持っているのは御社の担当者です。その想いを、お客様に届けてはいかがでしょうか。先ほども触れましたが、カメラや照明などの機材は小型で安価になってきています。編集ソフトも同様です。

大切にしなければならない映像文法

制作にあたりとても大切なことがあります。
それは、映像文法をしっかりと守って制作をすることです。
無料で大量にテレビを見てきた私たちには、見る側としての映像文法が身についています。御社の制作する動画を見るお客様も同様です。見るのと作るのでは違い、この文法を守って制作するには技術的なポイントがいくつもあります。その一つを少し紹介します。

やってはいけない編集の一つに、同ポジ編集があります。1カメのインタビューの場合、そうせざる負えない場合もありますが、基本的にタブーです。
あるシーンをカット編集してそのまま繋げた場合、人物は「カクッと」不自然な動きになります。視聴者には「編集した」ということがはっきりと見え、人物の話の内容よりも、不自然さが印象として残ってしまって、伝えたいことが伝わりにくくなります。

「私は駅に向かいます。」
「私 駅 向かう。」

助詞がない日本語に不自然さを感じるように、言いたいことは伝わりますが、文法を守らない映像には不自然さを感じます。
この不自然さによって、伝えたい情報が伝わりにくくなってしまうことを避けることができれば、自社内での制作は可能になります。

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